窓からの光の影響って?
窓がなぜ必要かということを考えたことがありますか?
「なんだよいきなり、そんな分かりきったこと聞くなよ」という方が殆どだと思います。
でも、本当に分かっていますか?
間違いなく分かっていることはありますよね。窓がないと「部屋が暗くなる」ということ「換気が出来ない」ということです。
多くの人は間違った答えを出すことはないと思います。では、どんな窓の取り方が良いのかということは考えたことがありますか?
家の設計が始まると「ここに窓を付けて・・・」と考えますが、その大きさや部屋に対する効果はあまり考えないで進めている方が殆どではないでしょうか。
今日は窓からの光の影響についてお話をさせて頂きます。
窓には縦長や横長、真四角、丸や三角、台形などがあります。それらは大きく分けて3通りに分類されます。
1.「縦長窓」掃き出し窓など(外に出られる窓)
2.「横長窓」腰付きの引き違い窓など
3.「小窓」トイレなどの窓
皆さんはアパートなどを物色した時に「腰付き窓の部屋」はなんとなく暗い部屋に思え、「掃き出し窓の部屋」は明るく感じた経験があると思います。
「この部屋は明るいわね」とか「こっちの部屋は暗いわね」という感じです。
これは窓の大きさの違いだけではなく、床面が明るいか暗いかによって違って見えているのです。
「縦長窓」は床面にしっかりと光が当るので床が明るく感じます。又、床面で反射した光が天井や壁にも当って、明るく感じます。
「横長窓」は窓下の腰部分に光が当らず、窓際の床部分にも光が当りません。
光は入っているのですが、「なんとなく、暗いな」というイメージを持ってしまいます。
「小窓」は根本的に光の入る量が少ないので暗くなります。数を多く付ければ解消されますが、壁が穴だらけという感じですね。(好まれれば別です)
「この部屋は暗いわね」となってしまう部屋には北側の個室が多いです。直接、日が入らないことと腰付き窓になっているケースが多いからです。
「この部屋は明るいわね」となる部屋は南側が多いです。ベランダなどがあり掃き出し窓になっているからです。
当たり前と言えば当たり前なのですが、意識して使い分けをするのとしないのでは大きな違いが出てしまいます。又、使い勝手なども考慮しながらどの窓にするのか考えないと使い難い部屋になってしまいます。
「小窓」の話も少ししたいと思います。小窓でも明るい部屋は造れます。
それは部屋を小さくすることです。
アパートなどでトイレや脱衣が「明るいな」と感じた経験があると思います。
これは、部屋が小さいからというよりも、窓と壁が近いので光が壁までとどいて反射しているからです。
人間の目は光が入ってくる量を見ることはできないのですが、物体に反射した光が目に入ると物体を認識することが出来るように作られています。
小部屋の場合、壁が近く、光を反射する量が多くなるので明るく感じることができます。
明るい部屋を造ろうと思うのであれば、壁や床、天井などの光の反射量を増やしてあげれば可能というわけです。
又、色が白っぽい壁面や天井面が多いと明るく感じます。白は光の反射率が高いので余計に明るく感じます。トイレや脱衣室は白い壁が多いですよね。
それは暗く感じないようにです。(別の意味もあります。それは後日)
窓と光の関係の大雑把な特性は以上です。
●これから、家を新築する方へ
「部屋に合った窓の大きさ」はその部屋の使い方や目的によって変わるので窓の位置だけではなく、大きさ、取り付け高さにも注意を払いましょう。
光と仲良く暮らせる家をお考え下さい。
◇道先 案内人(みちさき あんないと)のお勧めは「明るい部屋」にしたければ、縦長窓にすることです。ベランダを設けるか。手摺などを設けて床からの窓を取ると良いと思います。
寝室などの光をあまり必要としない部屋は換気ができて、照明を点けなくても暗すぎない程度の大きさの窓を付ければ良いと思います。日を改めてお話させて頂きますが、窓が大きいと外部(日射、寒気)の影響を受け易いです。
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